業務用スチールラックの耐荷重は、棚板1枚あたりの重さをもとに計算されているため、
複数の棚板を設置することでラック全体の耐荷重を増やすことも可能です。
ただし、ラックの使用時に荷物のかたよりによる耐荷重の超過が発生する可能性もあります。
業務用スチールラックを検討する際は、載せる荷物の重さよりも耐荷重の大きいラックを選ぶようにしましょう。
また、たとえ耐荷重の範囲内におさまる重さの荷物でも、サイズが大きくて奥行きが足りずラックに載せられない場合に備えて、サイズも併せて確認しておくことが大切です。
業務用スチールラックは耐荷重を考慮せず使用すると破損や事故を誘発する恐れもあるため、選ぶ際には特に注意する必要があります。
・サイズ
業務用スチールラックのサイズは、以下の寸法で確認できます。
[呼称寸法] ラックの分類名
[ 外寸 ] 設置場所に必要なスペースの大きさ
[棚板実寸] 載せられる荷物の大きさ
また、業務用スチールラックは耐荷重ごとに対応可能な奥行きのサイズが異なります。
耐荷重別の対応可能な奥行きのサイズは、以下の通りです。
[耐荷重] 100kg/150kg/200kg
[対応サイズ] 300mm・450�弌�600mm
[耐荷重] 300kg/500kg
[対応サイズ] 450mm・600mm・750mm・900mm
大型の倉庫であれば、多段式のラックで高さを効率的に活用し、小型の倉庫であれば、限られたスペースを有効活用できる軽量ラックやネスティングラックを選ぶとよいでしょう。
・パレット収納の有無
業務用スチールラックを選ぶ際は、パレット収納の有無も事前に確認しておきましょう。パレットを収納しない場合は、設置が簡単なスチールラックを選び、パレットを収納する場合は、フォークリフトで運べるパレットラックやネスティングラックを選ぶのがおすすめです。
ただし、奥行きのある荷物を載せる場合はパレット収納の有無にかかわらず、パレットラックを使用しましょう。
・レイアウトを変更する予定があるか
ラックのレイアウトを変更する予定があるかどうかも、業務用スチールラックを選ぶ際に重要です。もし、ラックのレイアウトを変更する可能性がある場合は、組み立ても簡単でレイアウトの変更がしやすいスチールラックやネスティングラックを選びましょう。一方で、パレットラックは設置時に固定させるための工事を行わなければならず、レイアウトを変更する際に解体や再設置の手間がかかるデメリットがあります。
・棚板の数
業務用スチールラックは、棚板の数で収納力が異なるため、倉庫内で棚板を何枚まで重ねられるか事前に確認しておく必要があります。大規模な倉庫であれば、高さを有効活用できる多段タイプのもの、天井の低い倉庫や狭いスペースに設置する場合は、低い天地段数のものを選ぶとよいでしょう。また、棚板の数を数える際は最上段も忘れずにカウントし、荷物を移動しやすい高さで設計することも大切です。棚板の数が多いほどコストも高くなる傾向にあるため、業務用スチールラックにかかるコストを抑えたい場合は、棚板の数を最小限に設定しましょう。特に、ラックの安定性や安全性を重視する場合は、3段以上の業務用スチールラックを選ぶのがおすすめです。
・単体タイプと連結タイプ
[単体タイプ]
・独立した保管場所を確保できる
・レイアウトの変更が多い場合や荷物の種類ごとに分けて管理する場合に適している
・コストがかかり、設置場所を広く確保する必要がある
[連結タイプ]
・複数のラックを組み合わせることで大きな保管場所を設置できる
・安価で、空いたスペースを効率的に活用できる
・耐震性に優れている
・大規模な倉庫や大量の荷物をまとめる場合に適している
・ピッキングのしやすさ
業務用スチールラックを商品の保管に使用する場合は、ピッキングしやすい軽量ラックや中量ラックがおすすめです。特に、段数の多いラックを使用する場合は作業しやすい構造かどうか確認しながら選びましょう。また、荷物の数が多い場合はラベルを貼れる形状のラックを選ぶことで、作業効率の向上を図れます。

■AGVを導入しているパターン
ここからは、AGVを導入する場合の業務用スチールラックの使用方法について解説します。物流倉庫にAGVを導入すると作業効率が向上するだけなく、荷物の管理がしやすくなるメリットもあるため、業務用スチールラックを選ぶ際は、AGVの導入をぜひ検討してみてください。
・AGVとは
AGVとは、Automatede Guided Vehicleの略称で「無人搬送機能」のことを指します。導入すると、無人搬送車が事前に設定した経路に沿って移動するため、人の力を借りずに荷物の運搬・配置作業が可能です。また、ロボット技術が進む現代では、人や他の車両と連携できる機能やAI機能を搭載したAGVも開発されており、ファクトリーオートメーション(FA)やスマートファクトリー化に欠かせないシステムとして、注目を集めています。
・AGVに適しているラックの種類
業務用スチールラックにAGVを導入する場合は、AGV専用ラックを使用するとよいでしょう。AGV専用ラックの主な特徴は、以下の通りです。
●正確な移動経路や位置を自動的に制御する
●作業時間の短縮やミスの軽減にも効果があり、作業効率を向上させられる
●事前にプログラムを設定しておくことで、さまざまな条件のもと柔軟な対応が可能
●センサーやカメラで周囲の情報を把握し、衝突を回避する
●通信システムを利用して、作業の進捗状況をリアルタイムで監視・制御できる
・通常のスチールラックを代用することはできる?
通常のスチールラックは、AGV専用ラックと形状が似ていますが、通常のスチールラックをそのままAGV専用ラックとして代用することは不可能です。AGV専用ラックは、床搬送ロボットを使用してラックごと荷物を運搬する目的で設計されていますが、通常のスチールラックは設置時に固定しなければならない種類もあるため、AGVシステムに必要な床搬送ロボットを使用するのに適していません。そのため、AGVの導入を検討する際は、AGV専用ラックを選ぶ必要があります。
・ただし追加でパーツを付ければ代用できる
通常のスチールラックをAGV専用ラックとしてそのまま代用することは不可能ですが、追加パーツを付ければAGV専用ラックの代用として使用することが可能です。
追加パーツは、ラック全体の耐荷重を支える目的で頑丈に設計されており、支柱と棚板の役割を兼ね備えた構造で、通常のスチールラックの最下段に取り付けます。通常のスチールラックにAGVを導入したい方は、追加パーツの取り付けをご検討ください。
■まとめ
業務用スチールラックを設置する際は、載せる荷物の重さやサイズだけでなく、棚板の数やレイアウト変更の有無を事前に確認し、使用環境に適したものを選ぶことが大切です。また、物流倉庫にAGVを導入する場合はAGV専用のスチールラックを設置しなければなりませんが、追加のパーツを取り付ければ、通常のスチールラックでも代用できます。