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ラックのおすすめは?

クリーンルームに設置するラックのおすすめは?
求められる条件や材質について解説

クリーンルームに設置するラックのおすすめは?
求められる条件や材質について解説

室内に不純物やゴミが入り込まないような設計が施されているクリーンルームに設置するラックは、室内管理に影響を及ぼさないものである必要があります。
しかし、具体的な材質や求められる機能がわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、クリーンルームにおすすめのラックを紹介します。
向いているラックの条件や用途別の材質についても解説するので、ぜひご一読ください。

クリーンルーム

■そもそもクリーンルームってなに?

まずは、クリーンルームがどのような部屋であるか解説します。

・クリーンルームの用途
クリーンルームとは、空気中に浮遊する微粒子や微生物などの異物を取り除き、一定レベルの清浄度の環境を維持するために作られた部屋のことです。人や備品、材料などの出入りが多く、目に見えない細菌やホコリなどが発生しやすい工場などで、製品に異物を付着させないために使われます。
また、室内に不純物やゴミが入り込むことを防ぐために、クリーンルーム内の圧力を制御したり気流の速さや向きなどを調節したりすることが可能です。作業が快適にできるように温度や湿度を管理できるほか、作業者の汗などによる細菌や微粒子が内部で発生することを防ぐ機能も備わっています。

・クリーンルームの種類
<工業用クリーンルーム>
工業用クリーンルームは、自動車や半導体、液晶パネルなどの工業製品の製造・検査の工程や、精密機器を取り扱う現場などで使われる部屋です。 主に、高性能フィルタによって製品に異常をきたす恐れのある微細な粉塵(ふんじん)を取り除いたり、製品にゴミやホコリなどを引き寄せる静電気を除去したりします。その他、製品に悪影響を及ぼすプラスチックや接着剤、梱包材などに含まれる有害物質の除去や管理も行うことができます。

<バイオクリーンルーム>
バイオクリーンルームは、食品や医薬品を製造する現場や、生物研究分野や医療機器などの衛生面が重視される際に使われる部屋です。 食品を取り扱う工場で、ウイルスや細菌、カビなどが食品に混入することを防ぐために使われたり、精密さが求められる現場で、目に見えない微生物や微粒子を取り除くために使われたりします。 バイオクリーンルームは工業用クリーンルームと異なり、微生物を殺菌できる「殺菌・酵素HEPAフィルタ」といった特殊なフィルタが細菌やウイルスなどを除去するため、医療現場でも重宝されています。

・クリーンルームの四原則
クリーンルームには、清浄度を維持するために遵守しなければならない四原則があります。ラックを設置する際の参考にしてください。

<持ち込まない>
ゴミや粉塵を持ち込まないために、作業員はエアーシャワーで除塵をしてから室内に入り、ワーク類はパスボックスを通して出し入れします。 クリーンルームにラックを設置する際も、洗浄して異物を室内に持ち込まないように徹底しましょう。

<排除する>
クリーンルームに粉塵が多い場合は、循環回数を多くしたり局所排気を設置したりして速やかに排除しなければなりません。 そのため、クリーンルームに設置するラックも、万が一異物が混入したり発生したりしてもすぐに排除できるように、掃除がしやすいものを選んでください。

<発生させない>
持ち込まないことも大切ですが、そもそも粉塵を発生させないためにクリーンスーツを着用するほか、発塵する備品や材料を使用しないことも心がけましょう。 ラックにおいては、製品に付着する恐れのあるサビが発生しにくいように、耐食性に優れた材質がおすすめです。

<堆積させない>
室内仕上げは、粉塵を堆積させないためにも表面の平滑な材質が適しています。また、壁や床のコーナーは、R材と呼ばれる拭き取りしやすい曲線の形状を使用しましょう。 同様に、異物が堆積しないように凸凹の少ないラックが好ましいため、できるだけ表面が平滑なものを選ぶ必要があります。

求められる条件

■クリーンルームに設置するラックに求められる条件

クリーンルームでは一定レベルの清浄度を保つ必要があるため、設置するラックも室内の管理に悪影響を及ぼさないものでなければなりません。
ここでは、どのようなラックがクリーンルームにふさわしいのか見ていきましょう。

・耐食性・耐薬品性
クリーンルームで使用するラックの素材は、耐食性や耐薬品性が欠かせません。
対応していない金属で作られたラックを選ぶと、酸化還元反応や薬品の影響によってサビや腐食が発生し、粉塵となってクリーンルーム内の製品に付着する恐れがあります。特に、薬品を取り扱うクリーンルームでは、薬品に触れることによって酸化還元反応を引き起こす金属のラックは避けなければなりません。

・帯電防止性
帯電防止性が備わっていることも、クリーンルームで使用するラックの素材には欠かせない条件です。
静電気はホコリやゴミを引き寄せ、製品に付着させます。精密機器を取り扱うことも多いクリーンルームでは、微細な粉塵が製品に重大な影響を及ぼしかねないため、できるだけ静電気を発生させない素材であることが重要です。

・公的な機関から保証されている
クリーンルームで使用するラックは、公的な機関から保証されているものがおすすめです。たとえば、FAO(国連食糧農業機関)およびWHO(世界保健機関)によって設置されたHACCP(ハサップ)や、ISO(国際標準化機構)認証やJQA(日本品質保証機構)などが提供しているJIS(日本産業規格)マーク認証などです。
これらに認定されているものは国際的な基準で定められた規定に合格しているため、安全性が保証されており、安心して使えます。また、日本ではすべての食品事業者に対して、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が原則的に義務付けられています。

ステンレスがおすすめ

■クリーンルームのラックにはステンレスがおすすめ

クリーンルームに設置するラックに求められる条件を満たすのは、ステンレス製のラックです。
ここからは、ステンレス製がおすすめの理由やステンレスの材質の種類、ステンレスラックの種類について解説します。

・ステンレス製がおすすめされる理由
ステンレススチールは主成分の鉄にクロムを配合した合金で、表面にできる酸化クロムの膜によってサビにくく、劣化しにくい特性があります。
鉄に比べて耐食性や耐薬品性に優れており、静電気が発生することも少ないため、クリーンルームのラックとして最適な素材と言えます。また、表面に酸化クロムの膜ができることから、有害物質を発生させる塗装で保護する必要もありません。

・ステンレスの材質の種類

<SUS304仕様>
ステンレスの材質のSUS304仕様は、原材料にクロムとニッケルを含んでいます。
サビや腐食に強いだけでなく、耐熱性にも優れており、高温や低温に対応可能です。
食品加工場や冷凍保管庫などで使用できます。

<SUS430仕様>
SUS430仕様は、原材料にニッケルが含まれていないステンレスです。
耐食性はSUS304仕様より劣りますが、その分値段が安く、他のステンレス仕様に比べて加工しやすいというメリットもあります。
台所のシンクや厨房機器、やかんや鍋などの調理器具、自動車部品、建築物の外壁材など身の回りのさまざまな製品に使われています。

・ステンレスラックの種類

<ボルト式ステンレスラック>
ボルト式ステンレスラックは、支柱と棚板をボルトで固定して組み立てるステンレスラックです。プレートと呼ばれる金具とボルトを使って固定するため、横揺れに強く、強度も高いことから、重量のあるものを長期間保管する場合にも適しています。

<ボルトレス式ステンレスラック>
ボルトレス式ステンレスラックは、ボルトを一切使わずに組み立てるステンレスラックです。各部材に付いている爪を、支柱の穴にはめ込んでから下に落とし込んで固定します。工具をほとんど使わずに短時間で簡単に組み立てられるメリットがある一方で、ボルトで一つひとつ固定するボルト式ステンレスラックよりも強度は落ちてしまいます。

<セミボルトレス式ステンレスラック>
セミボルトレス式ステンレスラックは、天板と地板のみボルトで固定し、中板はフック金具で固定して組み立てるステンレスラックです。ボルトで固定するため、強度を維持できます。また、中板の位置を移動できる便利な構造も特徴の一つです。

耐荷重に注意

■ステンレスラックを使用する際は耐荷重に注意が必要!


ステンレスラックには、棚1台あたりの耐荷重と棚板1段あたりの耐荷重が設定されているため、それぞれ把握しておきましょう。 ここでは、ステンレスラックを使う際に注意が必要な耐荷重について解説します。

・棚1台あたりの耐荷重
ステンレスラック1台あたりの耐荷重は、棚全体に収納できる最大の重さです。たとえ棚板1段あたりの耐荷重を超えていない場合でも、各段の合計が1台あたりの耐荷重を超えていると、ステンレスラックが壊れる原因になりかねません。ステンレスラックに重い荷物を収納する際は、棚板1段あたりの耐荷重と合わせて、1台あたりの耐荷重も確認しておきましょう。

・棚板1枚あたりの耐荷重
スチールラックを選ぶ際は、サイズ表や棚板枚数・間隔をよく確かめましょう。

棚板1段あたりに設定されている耐荷重は、棚板の3分の2以上を占める面積において、均等に荷重がかかった状態で耐えられる最大重量を指します。たとえ耐荷重以下であっても、棚板の一部だけに負荷がかかる置き方をすると重みに耐えられず、棚板がゆがんだり損傷したりする可能性があります。特に、重量のある荷物を長期間置くことの多い現場では、棚板の一部分に負荷がかかると非常に危険なので、注意が必要です。

■まとめ

クリーンルームに設置するラックについて解説しました。設置する際は、耐食性・耐薬品性や帯電防止性の優れたステンレス製のラックがおすすめです。耐荷重にも注意して、用途に合った材質や構造のステンレスラックを選びましょう。

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